チリワインが輸入トップとなった事実ににはこんな背景が…

チリワインが輸入トップとなった事実ににはこんな背景が…
先日チリワインの輸入がフランスを抜きトップになりました。
巷では
「チリワインのポテンシャルは素晴らしい」とか
「コストパフォーマンスがいいから」
だとか言われていますが、この出来事の背景には
色んな皆さんが知らない事実があるのです。
 
まずは、今までの輸入ランキング経緯を見ていきましょう
ランキング輸入
以上の通り、
では何故、今回の事態が起きたのか、、、、
それは大きく分けて3つあります。
(今回はチリワインの中でも高級なラインは除き、あくまで
スーパーやコンビニなどで1000円前後で購入できるものを対象とした考察です。)
①味が初心者向け
飲みやすいワイン
チリのワインは特に赤ワインに顕著に見られますが、
香りが甘く、味わいもフルーティで、高級ワインにありがちな
いわゆる酸味や渋みがあまりなく、
とっつきやすいものが多いですよね。
他のワインのように時間をおいてからしか飲めないという事もなく、

開けてすぐ飲めることもあり、その扱いやすさも功を奏しています。

 
②安い!!
yasui
とにかく、安価なものはチリワインが多いですよね。
コンビニやスーパーなどで見かけるものは
チリ産が半分以上です。なかには500円くらいのものもあります。

毎日の食卓用であればこの値段はかなり魅力的だと思います。

③低価格の飲食業態の増加
bar
○○バールなどの業態が昨今急激に増えてきましたね。
それにより、それらの店舗でカジュアルに飲めるワインの
需要を受けて消費が増加しました。
また、居酒屋や中華料理などの業態でもカジュアルワインの

需要がどんどんと伸びていることも理由として挙げられます。

さて、ではなぜ、こんなに安くて美味しい(と思われている)のでしょうか?
世の中に安くていいものなんて簡単には存在できません。
やはりこの背景には皆さんが知らないからくりがあるのです。
 
まずは値段。
なぜこんなに安いのか疑問に思いませんか?
そもそも高級ワインじゃないから?チリの物価が安いから?人件費がかからないから?
しかし、イタリアやフランスにだってテーブルワインはあります。
でもここまで安くはありません。
何故か?
大きな原因の一つは関税です。
EPA(経済連携協定)でチリからのバルクワイン(ボトリングしていないワイン)は
関税がゼロなんです。
EPA
欧州諸国とはこの協定を2013年から始めたばかりで、まだ遅々として進んでいません。
ですので、ここである程度のな価格の差が生じるわけです。
しかし、バルクワインとはボトリングしてないワイン。
国内でボトリングをするんです。という事は国産になるわけで、、、
この辺のラインはまだまだ日本の法整備が進んでいないところですが、
このボトリングする段階で人工的に香りや甘味、樽のチップをつけこんで樽香がつけられるわけですね。
それで甘くなったり、とっつきやすい香りになっているんです。
「いくつかのワイナリーでも、そんなことはやっている!」という声も聞こえてきそうですが、
海外ではワイン法がある為、ある程度ワインの醸造の仕方などは制限があります。
しかし、日本ではその辺がまだまだ、手付かずな為、人工的に手を加え放題になっているのも事実です。
 
世間が、報じている、「チリワインが飲みやすくて、安い」というわけではなく、
「チリワインは安く輸入できて、加工しやすい」という事なんです。
では、そういったワインを選ばない為に、どうするか?
それは、また次回にお伝えいたします!!


著:正木亜矢子