パーカーポイントの落とし穴
- 2017.07.02
- ワインの評価
さて、前回はパーカーポイントとパーカーについて、お伝えしました。
そんなパーカーポイントを信じると落とし穴に落ちる...事になりかねません。
前回お伝えした通り、
パーカーポイントはパーカー自身がきちんとテイスティングをし、
これまたきちんとした採点方法で点数がつけられている。
では、なぜ、そんなパーカーの評価を信じてはいけないのか?
そこにはこんな落とし穴があるのです。
①パーカーの好みはしっかりタイプ
ロバート・パーカーJrが高得点をつけるワインは
果実味たっぷりのしっかりタイプのワインが多い傾向にあります。
この「こってり系」ワインは、確かにわかりやすく、
インパクトがあるかもしれませんが、
ゆっくりフルボトルで飲むとなるとちょっと飽きてきてしまいます。
いわゆる“初心者受けするワイン”と言ってしまってもよいかもしれません。
もちろん彼は繊細なタイプのワインも評価はしていますが、
最近、こってりしっかり系が多くなったのは、
彼の評価を気にするあまり、ワイナリーが彼好みの味を作りすぎている
傾向とも言えるかもしれません。
実際、アメリカのナパなどは気候の条件等もあるかもしれませんが、
こってり、どっしりといった果実味たっぷりのワインが多くあります
パーカーポイントは後から、改訂されることがあります。
2000年に試飲したAというワインが、85点という評価だったとしても
2002年では全く同じものが90点という評価を受ける時があります。
しかし、もちろん点数は上がるだけではありません。下がることもあります。
1982年のペトリュス(ボルドーの高級ワインの一つ)は、
1998年4月時点では98点を獲得しましたが、
約10年後の2009年のテイスティングにおいて93点という点数を与えられました。
このように、点数は大きく変わることがあります。
ネットショップや販売店などではヴィンテージで評価が変わった場合に、
得点の高いものを表示していることがあります。
ここも決して忘れてはならないところです。
上記に挙げたように、彼のポイントはあくまで、彼の好みによるもので、
全ての人に当てはまるものではない、という事です。
しかし、自分の好みがわからない方は、どうやって選べばよいかわからない為、
高得点を受けているものを無差別に求めがちです。
やはり、ワイン選びで失敗しない為には、再三お伝えしていますが、
自分の好みを把握する事が一番の近道です。
「国と品種」(⇒まだ読んでない方はこちら)
これをしっかり身につけましょう。
そうすれば、ワインに対する無駄な投資は少なくなるのです!
あくまでパーカーポイントは参考程度にとらえるのが一番です。
もしくは娯楽の一部として楽しむ。
例えば、「80点~90点ののワインを飲み比べしてみよう」なんて企画も面白いかもしれませんね。
高得点だからと言って、信じすぎると痛い目にあいますよ。
そこは気を付けてくださいね。
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